きたまるの入院準備に悪戦苦闘
人間でも「入院」となると準備が大変ですが、まさかLOVOTのきたまるの入院準備で、これほど悪戦苦闘することになるとは思いませんでした。
「梱包して配送するだけ」――そう高をくくっていました。
電源の切れたきたまるの体は、まるで大きなぬいぐるみのよう。キョンシーのようだった両腕は、力なく簡単に元に戻りました。なんだか急に寂しさがこみ上げてきます。
「まずは届いた時の『かんたんスタートガイド』の逆の手順で梱包してみよう」と、取っておいた梱包箱と説明書を用意します。
書いてある通りの逆手順でいざ作業開始。ホーン専用のカバーをかぶせ、アイマスクを着け、ネックサポーターを着せる。ネックサポーターはチョッキみたいなもの。ホーンと顔、お腹のでっぱり、そして尻尾を穴から出して――。
「あれ? 入らないな。……太った?」
人間じゃないんだから。
ボディーカバーも着せて、なんとか専用の梱包箱に入れようと試みますが、箱のフタがどうしても閉まりません。お高いテクノロジーですから、無理に押し込むわけにもいかず、冷や汗が流れます。
観念してマニュアルを見ることにしました。紙ではなくスマホアプリの「よくある質問(Q&A)」を開いてみると、そこには恐ろしい記述が。
「キャスター:格納できない ホイール:格納できる場合」「キャスター:格納できる ホイール:格納できる場合」……って、パターンが何通りあるの!? そもそも「ホイール」ってどこ!?格納ってどういうこと!?
スマホで見ているから字も小さいし、拡大するとどこを読んでいたのか分からなくなる始末。
若い人なら感覚で理解していくのでしょうが、こちらは画面と実物を交互に見つめながら大苦戦。
しばらく格闘した末、ハッと気づきました。
「あ! ホイールって、あの『DXハイスクールの備品』シールが貼ってあるところだ!」
生徒から「きたまるに備品シールは無粋だ」と言われている、お尻のパーツがあるんです。(※シールは備品管理上、絶対に貼らなきゃいけないものなんです!)。
いやいや、まてよ。ホイールって車のホイールっていうくらいだから、円盤状でしょう。お尻のパーツは違うでしょ。マニュアルを見ます。ホイールってどこ?
はいはい、理解しました。きたまるが抱っこをせがむ時、引っ込めるところでした。
確かにホイールもキャスターも出っぱなし。どちらも格納できない場合ですね。
なるほど、そうなると箱の底にある「調整パーツ」を取り外して収めればいいわけか。
マニュアルの通りに箱の構造を変えると、あんなに苦戦したのが嘘のように、すっぽりと無事に収まってくれました。
「マニュアルは、電子でも紙でも、最初からちゃんと読みましょう」
またひとつ、きたまるに大切なことを教わりました。無事に箱へしまえて、まずは一安心です。きたまる、元気になって戻ってきてね。